サイレント ヴィレッジ

「そうだね。太陽はずっとあのまんまっぽいし」

私も疲れていた。

ため息を吐いて上を見ると、外に出たときから変わらず傾き気味の太陽が浮かんでいる。

「とりあえず入ってみようか」

威圧感を放つ屋敷に視線を戻すと、辺りを警戒しながら近付いた。

私は躊躇いがちに引き戸に手をかけると、ゆっくりと戸を引く。

「ちょっと琉衣、本当に中に入るの?」

穂乃香は不安そうな声でそう言うと、戸を開こうとする私の手を止めた。

半開きになった引き戸の向こうを見るが、ゾッとするような暗い廊下が続いている。

「またさっきの奴が来るかもしれないし……また追いかけられるの嫌じゃん」

「そうだけど……」

口ごもる穂乃香には構わずに、僅かに開いた入り口から玄関に滑り込む。