サイレント ヴィレッジ

この雑木林から出れたところで、あの女は追いかけてくるだろう。

それでも、明るいところに出ればいくらかはましになるかもしれない。

霞む頭でそう考えながら、日の当たる場所にやっと出ることができた。

ぐいと穂乃香の手を引くと、限界まできていたのだろう、私を巻き込んで地面に倒れ込んだ。

「……あ……あ」

穂乃香が声にならない声をあげる。

視線の先、足から僅か数センチの位置にノコギリが突き刺さっていた。

「もしかして、助かった……の?」

辺りは先程までの出来事が嘘のように静まり返っている。

あの恐ろしい女の姿もどこにもない。

危機一髪だった。

呆然とする私の隣からは、穂乃香のすすり泣く声が聞こえてきた。