「落ち着いてっ! 今助けるから」
私は意を決して立ち上がると、白い腕を思い切り蹴り上げた。
ぐちゃり、と嫌な音が響く。
蹴り上げたつま先は、生々しい肉の感触を私の記憶に残して空を切った。
「早く立って! 逃げるよっ」
私は地面に倒れこんでいる穂乃香を無理矢理立ち上がらせ、その手を引いて走り出す。
耳鳴りが酷い。
「琉衣、来てる! さっきの……のこぎり持ってる!」
「いいから早くっ」
後ろを向いて悲鳴を上げた穂乃香を引きずるように、私は走る速度を速めた。
私は、後ろを見ている暇なんてなかった。
一瞬の遅れが命取りになる。
吸うことも吐くこともままならない。
息が上がり、呼吸も限界まできていた。
遅れがちになる穂乃香を引っ張り、終わりなき道をひた走る私の目の前、木々の隙間から民家が現れる。
出口だ。
私は意を決して立ち上がると、白い腕を思い切り蹴り上げた。
ぐちゃり、と嫌な音が響く。
蹴り上げたつま先は、生々しい肉の感触を私の記憶に残して空を切った。
「早く立って! 逃げるよっ」
私は地面に倒れこんでいる穂乃香を無理矢理立ち上がらせ、その手を引いて走り出す。
耳鳴りが酷い。
「琉衣、来てる! さっきの……のこぎり持ってる!」
「いいから早くっ」
後ろを向いて悲鳴を上げた穂乃香を引きずるように、私は走る速度を速めた。
私は、後ろを見ている暇なんてなかった。
一瞬の遅れが命取りになる。
吸うことも吐くこともままならない。
息が上がり、呼吸も限界まできていた。
遅れがちになる穂乃香を引っ張り、終わりなき道をひた走る私の目の前、木々の隙間から民家が現れる。
出口だ。
