サイレント ヴィレッジ

「分かった。 でも、変な事になるようだったら捨ててよね」

「うん、分かってる。 それより、この道を真っ直ぐで良いんだよね?」

「……確かそうだったはず」

少しの間を開けて穂乃香は何故か小声で答える。

そして、私の服の袖をぎゅっと掴んだ。

「どうしたの?」

同じく小声で尋ねると、穂乃香の顔色が悪い。

歯の根が合わないのか、ガチガチと音を立てている。

「何? 穂乃香どうしたの?」

「う…しろ……」

青ざめた顔の穂乃香は、蚊の鳴くような声で小さく呟くと、掴んだ手に力を籠めた。

ただ事ではないと察した私は、首をあまり動かさないようにして、ゆっくりと視線だけを後方に向ける。

「ほ、穂乃香……」

さっきから感じていた視線の正体が判明した。