サイレント ヴィレッジ

「分かんない。目が覚めたらここにいたの……ねぇ琉衣、ここって何処?」

見知った顔に安心したのか、穂乃香は今にも泣き出しそうな声を出すと、私の服にぎゅっとしがみついた。

「さぁ、私にも分かんない。とにかく無事で良かった」

パニックに陥りかけている穂乃香に優しくそう言うと、落ち着かせようと背中を叩く。

この蒸し暑さのせいか、彼女もほんのりと汗ばんでいるようだ。

暫くして落ち着きを取り戻した穂乃香は、目が覚めてからのことを話し出した。

「向こうに大きな屋敷があったよ。でもね、何か唸り声みたいなのが聞こえてきたから慌てて隠れてたの」

「……唸り声?」

穂乃香が頷く。

「今は静かだけど、さっきしたの。私怖くって……」

余程恐ろしい声だったのか、穂乃香はすっかり元気がなくなっていた。