「本当にヤバそうだったら、享也にお守り持ってきてもらおうか？」

私がそう声をかけると、少し落ち着きを取り戻したのか、三森は続きを話始めた。

「うん。その時はお願い。それで女の子の顔をよく見たら、昔のうちにそっくりだったの」

「……うっそマジで？」

穂乃香は驚いて目を見開き、顔色が悪くなってきた三森を見つめた。

「慌てて男の子を振り払って逃げたんだけど、後ろから『次はお前だ』って叫び声が聞こえて……急いで車に戻ったら誰もいないし」

「ただの夢なら良いけど、ちょっと心配だね」

穂乃香の言葉に私も頷く。

「享也には早めに相談しておくよ」

「ありがとう琉衣！車で逃げてばあちゃん家の近くに出たところで目が覚めたんだけど、あの声が忘れられなくて……」

三森は何事も気にしすぎるところがあるけれど、この夢は何かありそうだと私は直感的に思った。

彼女は親が葬儀関係の仕事をしているので、霊的なものに敏感らしい。