サイレント ヴィレッジ

入ってみると女湯と同じように綺麗な脱衣所だった。

一つ違うところがあるとすれば、浴槽がある場所への扉が塞がれていないことだろうか。

扉へ向かう私の目に、脱衣カゴの中に服が入っているのが見えた。

誰かが入っているのだろう、黒い服が顔を覗かせている。

悪いことだとは思いつつカゴからその服を取り出すと、ヒラリと何かが床に落ちた。

「何だろう。また紙?」

拾い上げてみると、それは一枚の写真だった。

薄暗い場所が写っているらしく、酷く不鮮明だ。

蛍光灯の光で照らしてみるも、ぼんやりと靄がかかっているようでよく解らない。

くるりと引っくり返してみると、何やら赤いインクで文字が書いてあるのが伺えたが、薄すぎてよく読めなかった。