「それで三森はそこで目が覚めたの?」

私が言うよりも先に穂乃香が尋ねた。

暗い顔をした三森は、ゆっくりと首を横に振った。

「まだ続きあるわ。……変なジジィが怖くて奇声あげながら逃げたんだけどね、途中で小さな男の子に捕まったの」

三森は少し言いにくそうに答える。

あまり思い出したくない事でもあったのだろうか。

「『おねえちゃん一緒に捜して』って凄い力で腕捕まれて逃げられなくて、男の子の声が急に変わって『見つからなかったら次はお前だ』って言われたの……」

「次はお前って……それで享也に?」

私の問いに三森は小さく頷いた。

「しかも男の子は突然何かを指差して、その方向見たら小さな女の子がいて……」

急に押し黙り、言葉を濁す三森。

「どうしたの?」

心配そうに穂乃香が覗き込む。