「十月七日……」

私は記事を読み上げた。

「十月七日、村の祭壇から炎が上がった。当時峰ヶ崎家当主であった善樹氏は、儀式の失敗により発生した炎で……」

記事はそこで途切れていた。

儀式とは、一体何の事だろうか。

何故こんな所にスクラップが落ちていたのかも分からない。

何だか捨ててはいけないもののような気がして、とりあえず持っていようと折り畳む。

すると、裏側にさっきまで何も書かれていなかった空間に文字があった。

壁の一件もあり、私は慎重に裏を見る。

そこには子どもの落書きのような地図が描かれていた。

地図といっても道路はなく、公園や神社などと名称だけが書かれた簡素なものだ。

公園と書かれた文字のすぐ隣には隔離部屋と書かれており、二つは線で繋がっている。