サイレント ヴィレッジ

多分、出口に辿り着いたのだろう。

そう思わないとやっていられない。

早くこの場所から出たくて駆け出すと、大きな靴音が見えない壁に反響する。

何人もが一斉に走っているような不気味さをかもし出しながらも、私は何とか光が溢れる部屋まで辿り着く事ができた。

「そ…そんな……」

部屋の中を見て、私は愕然とする。

その部屋は、さっきまで居た場所と何ら変わりがなかった。

赤く染められた部屋、小さな簡易ベッド。

散らばるぬいぐるみもそのままに。

私は同じ所をぐるぐると回っていたのだろうか。

否、違う。

この部屋が私を出したくないのだ。

そんな事考えたくもなかった。

恐ろしい考えを振り切るように、仕方なく私は部屋の中へ戻った。

もう一度あの不気味な暗闇に戻るなんて考えられなかったのだ。