「……とりあえずここから出なきゃ」

何か嫌な予感がして、私は反射的に身を起こした。

ベッドがぎしりと音を立てる。

このままここに留まっていても埒が開かない。

そう判断した私は、おぼつかない足取りで唯一の出口を目指す事にした。

床に物が散乱しているのか、時折足に何かが当たったり踏んだりして危ない。

足元に気をつけながら歩いていると、突然耳鳴りが始まった。

ぞくりと背筋が粟立つ。

「やだ、何? 怖いんだけど……」

つい大きな声を出してしまった。

この状態で静かなのは実際耐えられない。

いつまで経っても耳鳴りは止まず、それどころかどこからか誰かに見られているような、気味の悪い視線を感じていた。