サイレント ヴィレッジ

「でも、本当に誘拐かもしれないし、念のために夢の話は私たち以外には話さないようにって事で」

嫌な考えを振り払うようにそう言うと、三森も納得したように頷く。

「……そうだね、そうする」

これで一先ず夢の話関係では犠牲者は出ないだろう。

ただ、これで終わった訳ではない。

いなくなった穂乃香の事もあるし、何より私自身も危険に晒されている可能性があるのだ。

「案外家出とかだったりね」

三森の冗談に愛想笑いを返すと、先生が来ないことを確認して携帯を開いた。

メール画面を開き、享也に宛ててメールを打つ。

穂乃香失踪の話と自分の考え、そしてなるべく早くに返事が欲しいという内容を書いて送信した。

「琉衣、教室戻ろっか」

三森の呼び掛けに従い、沢山の生徒で溢れる廊下をなんとかくぐり抜けて教室に入る。

未だ空席のままの穂乃香の机を見て、彼女の無事を祈った。