サイレント ヴィレッジ

「話ってのは伝染するもんだ。特にお前は俺達と長く付き合ってるからな」

享也の言葉に、私はあの事件を思い出してしまった。

私からすると先輩で、享也にしてみれば妹の、玲さんとの事件を。

「そ、か。……そうだよね」

私はぎこちない笑みを浮かべた。

あの事件があったから私と享也は付き合えたようなものだったけれど、出来ることならもう二度とあんな目には遇いたくない。

私はあれっきり肝試し全般が苦手になってしまった。

享也と妹の玲さんは家系かはたまた血筋か霊感がかなり強く、周りにまで影響を及ぼすんだとか。

そんな二人と一緒に肝試しなんて行ったら当然なにかしらある訳で、私含む肝試しメンバーは二度と思い出したくない程の怖い目に遇ってしまったのだ。

「気を付けろよ。御守りやるから」

ほら、と享也に手渡されたのは神社で売っているような赤い御守りだった。

「ありがと」

受け取りながらふと考える。

穂乃香は大丈夫なのだろうか。