教室に入ってもそれは変わらず、2人の席の周りにはすでに人だかりができていた。
その様子を自分の席から眺めていると、後ろから声をかけられた。
「おはよ、織。今日も人気だねぇあの2人」
小学校からの親友の、片岡翠(かたおか みどり)だ。
翠は可愛くて、面倒見が良くて、優しいお姉ちゃんみたいな存在だ。
「おはよう、翠。まぁ、あんなイケメンがいたら騒ぎたくもなるよねぇ」
「毎日あんなだとあんたも大変でしょ?嫌になんないわけ?」
「まぁ大変ではあるけど……。でもあんなにモテるなんて2人ともすごいよねぇ」
そう返すと、翠は苦笑いをした。
「あんたがそれ言う?織だってすごい人気じゃない。先週も告られてたじゃない?」
「そんなことないよ!あれはたまたまだって。それに私なんかより翠の方がずっと可愛いじゃない」
