「ママ、入るよ?」 そう言ってドアを開けると、そこにはママ以外にもう1人。 「パパ!?」 新規事業立ち上げのためにアメリカに行っているはずのパパの姿があった。 「パパが帰ってきてるなんて聞いてないよ!いつこっちに戻ってきたの?」 「ついさっき旅館に着いたばかりだ。久しぶりだね、織」 1年ぶりのパパとの再開にテンションの上がる私だが、ふと見るとパパもママも難しそうな顔をしていることに気が付いた。 「旦那様、そろそろ本題に」 「あぁ、そうだね」 樹に促され、パパが話し始めた。