「「おかえりなさいませ、織様」」
家に着いた私を迎えてくれたのは、樹と葵、そして━━━
「おかえり、織」
ママだった。
「ただいま。ママが出迎えてくれるなんて珍しいね。今忙しい時間帯でしょ?」
この時間はチェックインされるお客様が多いし、夕食の準備もあるので、旅館は大忙しだ。
「今日は織に大事な話があるの。荷物を置いて着替えたら、樹たちと一緒に私のとこに来なさい」
それだけ言うと、ママは足早に旅館へと戻っていった。
(大事な話ってなんだろ…?)
不思議に思いながら、まずは着替えるため自分の部屋へと向かった。