軽くホットドッグで昼食を済ませ、早速一軒目の工芸博物館を見終えたところだった。
アキは、ドイツ語も喋れるらしい。
なんでか聞いてみると、お父さんの仕事の都合で、昔住んでたそうだ。
そして、今はイギリス在住。
歳は私と同い年で20歳だけど、学生ではなく、フリーでデザインの仕事をしているとか。
あまり、自分のことを多く語るタイプではなさそうだ。
私の質問には、短く答えるのみだった。
でも、私はアキと一緒にいることに、今まで感じたことのないような感覚を抱いてるんだ。
なんでだろう。
さっき出会ったばかりなのに、一緒にいると落ち着くし、懐かしい感じ。
隣の彼をふと横目に見ると、まだ少年のような幼さの残る中に、時折見せるすごく大人びた表情が印象的だった。


