ゆっくりと、瞼を押し上げた。
真っ白な天井、窓から溢れる眩しいほどの光が、目に飛び込んできた。
あの夢を見た後なのに、なぜか、前ほど息苦しくはなかった。
斜め上から視線を感じて、ふと目を向けると、そこには、さっき助けてくれた彼が、パイプ椅子に座って、私を見下ろしていたんだ。
優しい瞳が、そこにはあった。
あの宝石のような輝きはそのままに……
「ここは?」
「あぁ、俺が泊まってたユース。無理言ってベッドを貸してもらった」
「そうなんだ……」
「何か、飲み物もらってくる」
そう言って、彼は、静かに部屋を出て行った。
私は、あそこで倒れてしまったのか。
枕元には、私のウエストバッグの置かれていた。
彼が、ここまで連れて来てくれたようだ。


