隣に並んだところで、自分でも無意識にアキの右手に自分の左手を繋いでいた。
アキは振り払うことはせず、ただ握り返してくれた。
私たちは、そのまま二人で駅へと向かったんだ。
繋がれた手から、アキの温もりが伝わってくる。
その温もりは、私の心にあった氷の壁を溶かしていくようだった。
私は生まれて初めて、両親に心の底からありがとうって思ったんだ。
私を生んでくれてありがとう―――
そして、言葉にならないけれど、精一杯心の中でアキに叫んでいた。
こんな素敵な誕生日をありがとう
私はその思いを込めて、ギュッと左手に力を込めた。


