だけど…… 私の不安な心を見透かしたように、アキは、私の顔を覗き込んできた。 「大丈夫だよ。こいつらなら」 「え?」 「レイ、ペン貸して」 そう言うと、アキは自分のコースターを裏返し、サラサラっと文字を書き始めた。 「はい」と言って渡されたそれには、 “8/13 17:00 München Marien Platz” と書かれてあった。 「ミュンヘン、マリエン広場?」 「ああ」 不安なまま顔をあげると、そこには、アキの優しい笑顔があったんだ。