学校が終わって圭輔とカラオケに行った後の帰り道。


「あっ.ラブシーン見っけ♪」


圭輔の言葉に公園を覗くと男と女が抱き合ってる。


暗くてよく見えなかったけど外灯
に照らされた男の顔が見えた。


なかなかのイケメンで背が高い男だった。


女の方は男の胸に顔を埋めて泣いてるようで…。


そんな女の髪を撫でながら男が女を抱きしめていた。


「あの2人チューしちゃうのかな?(笑)」


「圭輔.行くぞ!!人のラブシーン見て何がおもしれんだよ…。」


「あっ!!渉…あれ芽衣ちゃんじゃねぇか?」


「………。」


顔を上げた女の横顔が見える。


芽衣だった…。


芽衣は男の顔を見上げて笑っていた。


その顔を見て俺の胸が締め付けられる。


芽衣のその顔は俺には見せた事のない顔で…。


俺の知らない男に向けた芽衣の顔
はとても綺麗だった。