私…なんで、こんなところにいるんだろう…。

しかも。

よりによって、コイツと。

「いや、蓮さん?全部声に出てるからね?オレ、泣きそうだよ。」

本当に泣きそうな顔の隣にいる男…虹。

私が黙ってると。

「まぁ、オレは蓮と二人でいれて役得ですが。」

『そう。てか、このまま温泉にでも行って癒されるか。』

「いこいこ。いっそのこと、北海道の大自然満喫とか、沖縄の海とか、京都の寺で無になるとか、やってみる?」

うん、どれもありだな。

沖縄いいな。

『虹にしちゃ、珍しくいい考えね。沖縄にしよ。見つかりたくないから、このまま行っちゃって現地でいるもの全部揃えよう。スマホの電源切って。』

「了解!」

『てか、私の一人旅でもいいんだけど。』

「えっ!今さら置いていくとか言う?!」

焦る虹。

『ウソよ。今だけだけど、何もかも忘れて癒される旅に出発!』

「やったね!蓮独り占め~。」

今は呑気な虹の言葉につられ、笑顔でいよう。