(どうにか友達を作らないと)

海音くんが傍に居ないことが凄く…寂しい。
クラスが違うから一緒にあまり居られないのかな?
不安でいっぱいだったけど入学式も終り帰る支度をしていると、


「倫、一緒に帰るぞ!」


教室の出入り口に立って私を迎えに来てくれた海音くん。
嬉しいのと恥ずかしいという思いから頬が少し紅くなっていたけど構わなかった。

「……うん!」

迎えに来てくれたことも嬉しかったけど、何よりも名前を呼び捨てにしてくれたことが嬉しかった。



この日は、久しぶりに二人だけで帰ることが出来た。
海音くんの横顔を見る。

まだ幼さの残るだけど整った顔。でも目線が高くなっている。身長が伸びたんだなぁなんて呑気に思ってしまった。

「ジロジロ見てどうかしたか?」

「えっと……ううん!何でもないから!!」

下を向いて無駄に手を振っていた。