夕飛「芹明さん。どーやって俺が友夕を助けるんだよ。女には一切触れられないのに。」

一切触れられねーのか。
もうこれは過去を聞くしかねーな。

芹明「人には皆誰しも触れられたくねー過去の一つや二つある。でも、お前は族の人間だ。いつまでも過去に囚われてるなんて族の人間として失格だ。ここで琥珀にも話したことのない過去を話してみろ。少しは気持ちが軽くなる。」

夕飛「…うん。俺と友夕は幼馴染ってことは知ってると思うけど、もう1人幼馴染がいた。そいつの名前は無型 フアラ-Fuara Nagata-。俺と友夕とフアラは幼稚園と小学校、中学校も同じで仲が良かった。でも、中学生になって、フアラは変わった。イジメ格のリーダーになってた。いじめのターゲットは友夕。原因は俺が友夕の事を好きだとバレたことによる。フアラはずっと俺を好いてくれていた。でも、俺は友夕が好きだった。ある日、事件は起きた。友夕が歩道橋から落とされ車にはねられて意識不明の重体になった。そこらへんからフアラはずっと俺にべったりになった。友夕が目を覚ましたのはそれから二ヶ月後くらい。目を覚まして友夕は記憶を失った。あいつはいまだに一部の記憶がない。というかフアラの存在自体記憶から消えてる。俺は友夕に申し訳なくなった。そっから1ヶ月俺は友夕のリハビリに付き合った。その結果、フアラは俺と友夕の目の前で学校の屋上から飛び降りた。その時、俺の中で何か壊れた。女に関わるとろくなことがない。俺が関わったばかりに2人を傷つけた。」

色々と複雑だな。
友夕の記憶が一部ないことは知ってたけど、それの原因がこれとは限らない。
まぁ、これなんだろうけど。