「お兄ちゃん…」


『なんだ?サキ。』


お兄ちゃんはいつものように女の人に囲まれていた。 
お兄ちゃんは、学校の王子様ですっっっごいモテる。 

私はお兄ちゃんが好きだから、告白されてるのも、モテてるのもイヤだった。 

「帰ろう?」


『おう!ちょっと待ってな!!』


《えー!かず君かえっちゃうの〜?》


そう言いながら、周りにいた女の人達は私をにらんでくる。 


[こわいって〜!]


《三浦サキさん!ちょっといいかな?》


「はい…?…お兄ちゃんゴメン!先帰ってて!」


『あ゛?おいサキ?!』