家に入ると母の足音が聞こえてきて
「おかえり!こんな時間まで
どこ言ってたのよ!あれだけ早く帰って…
ってあんた誰連れてきたの?」
えっ帰ってきて早々怒鳴られるのは
毎日だから慣れたけど
お客様に対してその言い方は、酷くない?
「熱で倒れてたから連れてきた。
布団とお粥お母さんお願い!」
って言うと母は大きなため息をついて
「わかったわよ!おとうさーん!
ちょっと人を運んでー!」
ってお父さんを呼んだ。
母はそのまま隣の和室に消えてった。
「大丈夫?なんか、家、ごめん。」
って逆に申し訳なくて謝ると
「ん。」とだけ言った。
彼はさっきより熱も上がってきたみたいで
凄い辛そうで呼吸も少し荒くなってた。
とりあえず靴とか脱がないといけないから
「一旦座るね」と一言行って
玄関に腰を下ろして離れようとすると
「離れんな。」って言われて
ギュッと引かれた。
なんとか説得して靴を脱いでもらって
家に上がったところで父が駆けつけ
二人がかりで彼を布団に寝かせて
私は少し人肌恋しいなって思ったけど
ほっと一息つけた。