美空っていつも笑ってて
人生楽しそうってずっと思ってたけど


もちろん楽しいことも
たくさんあっただろうけど


それと同じくらい
笑顔の裏でみんなにあって自分にない
未来に苦しんでたのかもな。


「あっ!そうそう!
今日、美空の部屋入ったら
日記見つけたの!読んでみていいわよ!」


って思い出したのようにアッ!と言って
そういった優香さん。


「えっ!?勝手に見て大丈夫なんすか?」
って思わず俺は聞き返すと


「大丈夫!大丈夫!
新しい日記帳に変えたみたいだから
それもう使わないみたいだし!」


ってさっきの涙をかき消すくらい
明るく笑顔で言った。


だから、俺は優香さんの言葉を
断りきれなかったし、


正直、読みたいって気持ちもあったから
「ありがとうございます。
じゃあ、読ませてもらいますね。」


と言って日記を持って自室に入った。
しかし、その直後くらいに健さんが
帰ってきたので


日記はいったん机に置いて
再びリビングに行った。


着くと健さんは
「おー葵。ただいま。」
っていつも通りに言われたので


1番寂しいのは優香さんと健さんだと思うから
俺もいつも通りに


「健さんおかえりなさい。」
って言った。


その日は美空がいない
初めての夕食だったけど


みんながいつも通りのフリをしたから
食卓はいつも通りだった。