空のない世界




その日の夜
父からめったに来ないメールが来た。


『学校から退学命令が来たぞ。
学校の私物持って帰れだって。
お前はお前で勝手にしろ。』


って内容だった。
この様子だと家出た事も


部屋に俺の荷物が無いことも
知らねぇ感じだな。


ったく。もう、勝手にしてる。


でも、荷物めんどくせー!
それに学校…あ、美空の所にしよかな。


俺はリビングにいる美空のところに行って
ソファー座ってテレビを見てる
美空の隣りに腰を下ろすと


「なー美空。俺、学校退学になったんだけど
美空んとこ、編入したいから
編入試験のために勉強教えて。」


って言うと退学の事はなにも触れずに
「いいよー!あっ!ルーズリーフとか
持ってる?私、教科書持ってくるー!」


と言って自分の部屋に
ドタバタと上がっていった。


少ししてまた、ドタバタと
階段を下りる音がすると


リビングに再び美空が来て
「さぁ!やろー!」と言って


なんか言ってすぐ勉強会が始まった。


美空は「まずは〜♪」
と言って頼られたのが嬉しかったのか、
少し上機嫌で問題集をペラペラ開いた。


俺はそんな機嫌のいい美空が
可愛くてじっと見ていると


「何見てんの!ぼさっとしてないで
準備しなよー!」


ってやっぱり上機嫌で
笑顔をチラつかせながら
軽く俺を注意した。


そんなこんなで勉強会が始まって
そこからは俺の編入がかかってるので
2人とも本気モードで勉強した。


美空は学校でも成績は良いらしく
教え方も凄い上手で


容量がそこまで悪くない俺は
割とサクサク覚えられた。


ただ!英語だけは規則があっても
例外もなかなか多くて


全ッ全覚えられないし
わけわかんなかった。


すると、美空は単語帳を10個持ってきて
今週中にこれだけは覚えといて!


と鬼のような宿題を出して
その日の勉強会は終わった。