「ニコライの素性を知ったら、貴方驚くわよ?」

後部座席でハルがほくそ笑む。

「…コイツは美人さんだ。お名前は?」

「ハル・グランベリー。Disposableのサブリーダーよ」

女がサブリーダーなのか。

ルームミラー越しにハルを見るジェイソン。

バニングがリーダー、ハルがサブリーダー、ヒューが衛生兵、様々な国や組織にコネがあるニコライが諜報担当という形で、Disposableは機能している。

「そしてお前は、車両の運転技術に長けた輸送兵ってとこだな」

バニングが言った。

「止してくれ。一時的に行動を共にしているだけだ。俺は傭兵なんてやる気はない」

ステアリングを握ったまま、ジェイソンは吐き捨てた。