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「…お邪魔します。」
軽く挨拶をする黒澤くん。
ふふ、礼儀正しいなぁ。
「どうぞ~!あっ、黒澤くんそこ適当に座ってて。」
靴を揃えてからソファに腰かける黒澤くんは、なんだか絵になる。
罪深いぜ、イケメンめっ!
「なぁ、タオルとか借りていい?
こいつ(仔猫)拭きたいから。」
心配そうに仔猫を見つめる黒澤くんに胸がキュンっと高鳴る。
ううっ、仔猫になりたい。
なーんてね。
「あ、ちょっと、待って。」
タンスからまだ使ったことのない新しいタオルを二枚出す。
仔猫の分と黒澤くんの分。
私、知ってるんだよ。
黒澤くんが仔猫の為に傘を使って
少し体が濡れていたこと。
「はい、これ使って。
このタオル、まだ新しいから。」
黒澤くんを見ながらニッコリと笑う。
「…さんきゅ。」
彼は少し恥ずかしそうに顔を背ける。
黒澤くんからお礼言われるなんて…っ。
嬉しいっ!!
「どういたしまして。
今、温かいものだすね。」
黒澤くんにだすココアの準備。
黒澤くんってこう見えて甘党。
「…お前、独り暮らし?」
仔猫をタオルで拭きながら聞いてくる黒澤くん。
「そうだよ。
両親は小さい頃事故で亡くなったの。」
小さく笑いながら軽く答える。

