叔母さんは、涙を溢しながら顔を伏せる。 記憶喪失。 なんとなく、分かっていたけどその言葉が頭にこだまする。 「…きお…く…そうし、つ。」 …悠くん。 どうして…っ。 「自分が誰なのか、どこに住んでいるのか、何歳なのか、そう言ったことは覚えているのよ。 でも、なぜか鈴奈ちゃんのことは……っ。 部分的に記憶がないみたいなの。」