「…ゆ…う…く、ん?」


絞り出したような掠れた声で、必死に彼の名を呼ぶ。


どうして、他人行儀なんてするの?


私を驚かせたくて、冗談でそんなことやってるんでしょ?


だったら、はやく冗談だよって笑っていってよ…っ。



「…は?あんた、だれ。」



ーーー私の世界が一瞬にして、絶望に塗りつぶされた瞬間だった。