…もしかして、これが恋なのかなっとも思った。 けど、口を開こうとした刹那、 脳裏に浮かんだのは"絶望的な映像"。 『…可哀想な子ねぇ。』 『鈴奈ちゃんは、可哀想な子だから…ーー』 その映像を見たとき、心が真っ黒な何かに包まれた。 …っ、ちがう。 悠くんは、あの人たちとはちがうのに。 彼に、確かに重ねてしまったあの人たちの姿。