「…俺の勘違いだったんだな。 たくさん、傷つけて悪かった…っ。」 ワンテンポで私の頭を撫でてくれる黒澤くん。 黒澤くん…っ。 私は彼のぬくもりを求めていた。 ぎゅっと彼の腰に腕を回す。 「…あのときの言葉は本心なんかじゃない。 酷いこと言って、悪かった。」 『はっ、初めて会ったときからお前のことなんて嫌いだよ。 なに、勘違いしてんの?』 きっと、彼が謝っているのはあのときの言葉。 黒澤くんのバーカ。 私、すごく傷ついたんだから。 「う”うっ…ぁ。」 そう思うのに、言葉が出てこない。