精一杯の想いを君に贈る*この想いは君にだけ

――――そっか、答えはこんなにも簡単だったんだ。



一輝はきっとわかってる。


私が前者を選ばないことに。


それを分かって、私の背中を押してくれようとしてるんだ。


「私、行ってくる。」


私は勢いよくその場から立ち上がる。


「頑張れ、鈴奈。」


そんな私を見て嬉しそうに微笑む一輝。


私、一輝と友達になれて良かったよ。


「ありがとう、一輝。」


私はそれだけ言うと、そのまま駆け出した。



一輝がどんな顔をしていたのか知らずに。



「好きだったよ、鈴奈。」