「じゃあ、俺と付き合う?」


「えっ?」


「黒澤のとこ行かないなら、俺と付き合ってよ。」



一輝の言葉に大きく目を見開く。


なに言ってるの…?


一輝と付き合う…?


そんなこと、出来るわけないでしょう。


「選んでよ、鈴奈。…俺か黒澤か。」


言葉が出ない私に対して、一輝は言葉を続ける。


一輝と黒澤くん。


きっと、一輝を選べば間違えなく彼は私に優しくしてくれるだろう。


けど、それは幸せとは違う。


優しさが幸せだとは限らない。