「もういい。もう、何も話すな。」 フワッと温かいものに包まれる。 優しいシトラスの香り。 ぶわっと我慢していた何かが一気に溢れ出す。 「ううっ…ぁっ、どうして私だけが助かったの…っ? 私がお父さんとお母さんを殺したのに…!」 私が二人を殺した。 誰よりも大切だった二人を…! 「ちがう、お前は殺してなんかいない。」 いくら黒澤くんの言葉でもそれは…信じない。 ううん、信じられない。 だって、私が助けを求めなければ二人は生きていたかも知れないのだから。