「…っ、うぁ…」
ガクガクと手が震えて、黒澤くんに抱きつくことさえままならない。
「…失せろ。」
黒澤くんのどこから出てきた分からないどす黒くて威嚇したような低い声。
普段、クールな黒澤くんとは思えないほど感情がこの声に出ている気がした。
「…ひぃっ。」
黒澤くんに睨まれた途端、情けない声を出しながら顔を青くする金髪の人。
ギュッと背中に抱きつく力を強くする。
「失せろって言ってんるんだけど。
聞こえないの?」
低くて威圧的な声。
この声に逆らえる人がどれだけいるのだろうか。
そのくらいこの時の黒澤くんは怖かった。
「…ひぃ、すいませんでしたぁ!!」
けど、今の私にとっては誰よりも優しい人だった。

