一輝は私の顔を見て、少し切なそうに瞳を揺らした。
「…いるよ。」
一輝の静な落ち着いたような声。
まるで周りの音なんか聞こえないぐらい静寂した私たちの空気。
微かな風の音が耳に聞こえる。
潮の香りが鼻をかすめた。
「えっ…?」
「いるよ、好きな人。」
一輝はいつもとは違う寂しそうな笑顔を浮かべた。
「そっか…」
なんとなくそれ以上踏み込んではいけない気がして、視線を外しながら
短く返事をした。
「…俺の片想い。その人はさ俺のこと"いい友達"だと思ってる。
しかも俺と同じで片想い。
どーやったら俺を見てくれるんだろうってずっと悩んでた。」

