流れる空気が、なんだか重たい。


私、変なこと言った…っ!?



「なぁ、佐倉。

俺のこと名前で呼んでよ。」


えっ…?


突然、何を言われるのかと思っていたが、


予想外のことを言われて首を傾げる。


ど、どうして急に?



「えっと…急にどうしたの?」


チラッと高瀬君の様子を伺いながら、訳を問う。



「佐倉に呼んでほしいから俺の名前。」


少し頬を赤く染めながらも、真っ直ぐに私を捉えてくる綺麗な瞳。


…っ。


そういう顔されると…っ…


なんて返せば正解なのか分からなくて、視線を外す。


周りの音が遠くに聞こえる。