【企】拒絶男子



「シゲ」

「ん?」

「別れよ」


やっぱり、無理だった

先生と付き合うなんて。


会えない時間が、多すぎる。

友達がしているような恋愛ができない歯痒さ。


自分から想いを伝えておいて、なんて身勝手だろうと

そんなことは、百も承知だ。


だけど、辛い。

先生以上、恋人未満のような

この関係を続けることも……


わたしばかり、好きになるのも

凄く凄く、辛い……


ごめんなさい

弱くて


ごめんなさいっ………



「嫌だ」


___!!


それは、シゲが初めてわたしに見せた

拒絶だった。


「……っ、なんで、こんな時だけ拒絶するの」

「俺はな、綾。お前に寂しい想いをさせてしまっている分、お前の望みをできるだけ叶えたいんだ」

「……!」

「お前が最近、寂しそうな顔をしているのには気づいていた。だから、お前をこうしてここに、引き止めた」