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朝、目を覚まして驚愕した。
「こ、ここは…どこだ……」
心地いいベッドにいい香りのする部屋
美容道具がズラリと並んだ化粧台
100パーセント私の部屋じゃねぇ……
タラッと冷や汗が落ちる。
昨日何があったか記憶を呼び覚まそうとした刹那
”コンコン”と部屋がノックされて、ドアが開いた。
「あら?起きた?」
「し、し、し、俊輔さ」
「しーちゃんでしょ? どう?二日酔いになってない?お水は?」
しーちゃん?
確かに昨日そんな話はした気がする。
ってあれ?もしかしてここ?
「しーちゃんの部屋っ!!?」
ガバッとベッドから飛び降りて、やってしまったという後悔に襲われる。
「あら、別にいいのよ。まだ寝てて」
「わ、わ、私泊まっちゃった!?」
服もなぜだか着替えてるんですけどっ。
え、やだ、凛太郎くんじゃないけど死にたい
「あのね、家を聞いても全然起きないし、仕方なく連れてきたのよ。スーツにシワが寄ったら困るし、必死に着替えさせて、由乃さんの部屋は嫌がってたから私の部屋を貸してあげたのっ!!それなのに、なに!?その顔は!!言っとくけど私は由乃さんの部屋で寝たんだからねっ!!」
「そ、それはご迷惑をおかけしました。」
しーちゃんがとても母性に溢れていたので心地よくて、完全に身を任せてしまった。
こんなの晃になんて言おうと思ったけど、そういえばこの人私よりも女性らしいオネェだったっけ。
…なら大丈夫。
って大丈夫なのか?
色々混乱状態でまだ完全に頭がシャキッとしていない。
そんな私を心配そうに彼は見ていた。
「とって食ったりしてないわよ。ほら、朝ごはん食べに行きましょ。凛ちゃんも健ちゃんも心配してたんだからね。」
「あ、は、はい」
「着替えるなら着替えちゃいなさい。アイロンかけておいたから。それじゃあね」
バタンと再び閉まったドア
甘い部屋に私1人。
……あれ。
しーちゃんなんかすごく優しくない??

