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あいつらの巣に到着。


この前確認のために外だけ見に来たけど、やっぱり大きい


一応母から受け継いだ私の持ち物とはいえ、インターホンを鳴らした。



しかし…物音ひとつしない。


「凛太朗くーん」


声もかけてみたけれど、やはりなんの反応もない。


カバンの中から、管理人用の鍵を取り出して迷いなく開けてやった。


他の4人にバレたら怒られそうだけど、自殺しようとしてたら困るもんね。うん。




ゆっくり中に進んで凛太朗くんの部屋を探す。



男のくせに、みんな部屋ごとに名前を書いてるのが笑っちゃう。それともお母さんがそうしたのかな……



少しだけ和んでクスッと笑えば、彼の部屋の前についたのでノックをした。



「凛太朗くん!心優です。いる??」


やはりここでも声をかけたってなんの返事も無し。


まさか……と一瞬嫌な情景が思い浮かんで、


「あけるよ!」


と叫び扉を開けた。



そこで私は衝撃的なものを目の当たりにする。



え………



凛太朗くんが……胸に刃物を刺して………



ち、ち、血だらけ!!?



最早頭はパニックで、叫ぶ事すらできないまま慌てて彼に近づいた



「凛太朗くん!凛太朗くん!!!!」



え、何これ。
なんで私、こんなサスペンスに巻き込まれてるの。
嘘だと言ってお願いだから。


「ど、ど、どうしよう…き、救急車?警察?」


ポケットからスマホを取り出そうとしたけれど、何か違和感



あれ…血ってこんな匂いする?



……なんだか嗅いだ事のある匂い……


オムライス……っぽい……



「……まさか」


血だと思ったものを触って匂いを嗅ぐとやはりケチャップ。



……こいつっ!!!19にもなって何してんだ!!!




「起きろっ!!このすっとこどっこい!!!!」



ペチッとおでこを叩くと、凛太朗くんはゆっくり目を覚ました。



「あ、寝ちゃってた……」




………寝ちゃってたじゃねぇわ。