「咲里亜さん、頑張ってね!」という言葉と、50代おっさんの貴重なウィンク(両目閉じていた)に背中を押されて約束の洋食屋さんに着いた。
日本料亭ばりの前庭に恐縮しつつ引き戸を開けると、予約してあった席に案内される。
入り口までの豪華さに反して、中はシックながらカジュアルな雰囲気でホッとした。
富樫さんはまだ来ていないので一人メニューを開くと、値段設定は少しお高め。
だけどそこは洋食屋さんだから高級すぎるというほどではない。
何気なく店内に目を向けると、地方局の女子アナウンサーが男性3人と食事していた。
あまりジロジロ見るわけにもいかず、メニューを広げつつ盗み見る。
男性陣の年齢はバラバラ。
服装もスーツの人も普段着の人もいて、一体どういう繋がりなのか想像もできない。
だけど共通して言えるのは、みんな見た目が素敵だということだ。
顔がいい人、顔は普通でもおしゃれな人、そのどちらもいい人(ただし年齢は一番上に見える)。
ただの仕事上の食事会かもしれないけどどことなく色っぽい雰囲気を感じるのは、店の空気のせいなのか、私の下世話な興味ゆえか。
人ってどうやって結婚相手を決めるんだろう。
男の人は相手よりも「結婚したいと思った時に一番近くにいた人」という観点で決めると聞いたことがある。
それなら結婚したい女はトキメキよりも〈結婚したいと思っている男〉を探さないといけないではないか。



