「んんんんーーーー」
ベッドの中で思い切り伸びをする。
だるい。
全身がビリビリするように重い。
「うううううううう」
寝返りを打って顔を枕にくっつけると、あっさり眠りに落ちそうになる。
必死にまぶたを持ち上げて、手探りで携帯を確認した。
９時１７分。
さすがにそろそろ起きなければいけない。
今日は土曜日で仕事は休みだけど、出勤して終わらなかった分を片づけるつもりだ。
忙しくなってからもさすがに土日は休んでいた。
洗濯や掃除などごく最低限のこと以外はずーっとゴロゴロして文字通り「休んで」いた。
もともと残業すらしないように心がけてきた私だ。
その私が最近では残業しかしていない。
遊びに行くどころか外食もせず、家族や友達に電話もしていいない。
あれ？メール１本打ってない。
母親から来たメールへの返信も「・・・あとで」と思ったまま忘れていたかもしれない。
見ていたドラマも２、３回見逃したらどうでもよくなってしまった。
世の中のニュースも新聞の一面を飾るものと、自分の仕事に関するものしか入ってこない。
そんな状態まで頑張っても時間が足りなくなってきた。
のそりとベッドの上に座って、手櫛で髪を直そうとする。
が、もさもさからみあって手ではどうにもならない。
ドライヤーで乾かすのも面倒臭くて、中途半端なまま寝てしまったせいだ。
