世の中に何十億人と男性はいるのに、出会える人のなんと少ないことか。

本腰ってどこにあるの?
真ん中あたり?

・・・ま、いいや。プリン食べよう。


食べかけだったプリンを再び手に取って思い出す。

思えば朝一緒に山に行ってから、今日は一日ずっと伊月君と一緒だった。

最後の締めも彼からもらったプリン。
プレゼントをくれたのも奈美さんと伊月君だけ。

急ぎの仕事と焼きプリン。
若い男子からプレゼントをもらった。
2ポイント!

そういえば、チラッと「かわいい」って言われなかったっけ?
あれ、私に言ったのかな?
それとももっと漠然とした女性像の話?

よし、誕生日だからボーナスポイント。
「かわいい」って言われた、で1ポイント追加!

若い男の子に誕生日を祝われて、食事して、プレゼントもらって「かわいい」って言われた。
並べてみると、なんかドキドキしてきたぞ。

ひからびた大地をガリガリ掘って、ほっそーい根っこを掻き出すような作業だ。

普通なら見向きもしないような根だって、飢饉となればごちそう。
噛めば味もするってもの。


私はこれからもこうやって小さな幸せを数えて生きていくんだろうか。
なんだか悲しいけど、今日は誕生日だからせめてこのドキドキを楽しもう。


こうやって自分を甘やかすからよくないんだろうけどね。