だけど………。 そこには、美佳ちゃんの血なんて残っていなかった。 ただ、きれいな部屋があるだけ。 「う、そ………」 確かに、ここに血が赤く広がっていたのに! どうして、どうしてなくなっているの!? 「杏奈……何も、変わったようすはないけれど、本当に美佳ちゃんは殺されたの?」 疑いの目で、ナナが私の顔を見る。 「本当だよっ………本当に、ここに血が……。 あったんだよ……。 ねえ、ナナ。 信じてよ! 私は、この目で見たんだよ!!」 「でも……」