大人のいない世界

しかも、以前からいた孤児達は、二人をいじめるようになった。

施設の大人達は見て見ぬふり………。



二人はそんな昔のことはすっかり覚えていないようだが、その話を広汰から聞いたとき、私はこの子達を守ってあげたいと思った。

それ以来、私達三人は、かつて私が最低な家族と暮らしていた家で生活をしている。

私は翔と舞衣を、本当の弟と妹のように接している。

翔と舞衣も、私のことを本当の姉のように慕ってくれている。



やがて、オムライスが三人分できあがった。


「お待たせ」


食卓の上にオムライスが乗った皿を載せると、二人は元気よく「いただきます!」と言った後、ガツガツとオムライスを食べ始めた。

私も席に座り、オムライスを食べる。