部屋の中を見た途端、私は絶句した。


部屋の真ん中にたくさんの赤い“何か”が広がっていて、部屋の窓が開いているのか、朝の寒い空気が流れている。


その“何か”が何なのか、私はすぐに理解できた。


これは………血だ。

美佳ちゃんは一人でこの家で暮らしていた。

一人っ子だったし、私やナナのように他人と暮らすようなこともしていなかった。


だから………この血は美佳ちゃんのものである可能性が高い。

しかも、この量。


きっと、美佳ちゃんは死んでしまったのだろう。

誰かに、殺されたのだ。



「ヒッ………」



そのことに理解して数秒後、時間差で私は悲鳴をあげた。



どうして。

どうして。