大人のいない世界

あの子の親も、いつも私の家におすそわけをせびっていた。

お金を貸してと泣きついてくるときもあった。


子どもって、親に似るもんだね。



……私も、そうなのかな。

私のお父さんやお母さんの悪いところが、うつっていたりするのかな。


それは、嫌だな…。

だとしたら、私はきっと、翔や舞衣をとても苦しめてしまうだろう。


だから、広汰おにいちゃんは、大人になりそうな子どもを隔離したんだ。

そして、子どもの世界と大人の世界をきれいに線引きした。


やっぱり、広汰おにいちゃんは正しいのだ。



だから、不安なんて感じなくていいのに………。

それなのに、私はずっと不安を抱えたままだった。


あと二週間もすれば、私は十六歳。

もうすぐ、翔と舞衣とのお別れがやってくる____